家族と同居していた場合の遺品整理は、一人暮らしだった家の遺品整理より、そんなに急ぐ必要はありません。
日々の生活もありますので、時間があるときに少しづつ進めるといいでしょう。
実家で年老いた親の介護をしていたケースや引き続きもう片方の親の介護が続く場合もあります。
部屋の原状回復も急ぐ必要はありません。
遺品整理は、ゆっくり行いたい方もいるでしょう。
「しばらくはそっとしてほしい」といった気持ちを読み取り、残された家族の生活を考えながら進めていく必要があります。
家族と同居のパターン
同居の種類は一般的に次のような同居パターンが挙げられると思います。
- 親名義の家(夫は長男で農家をしているから親が同居を望んでいた など…)
- 子供名義の家(病気や介護といった理由から息子・娘夫婦と同居していた)
- 二世帯住宅(同じ建物に親世帯と子世帯が独立して生活をしている)
故人の財産の遺品整理
あなたが故人の子供・配偶者である場合は、遺品整理と遺産整理を同時で進行する必要があります。
どんなに仲の良い兄弟でもお金が関係してくると、人は変わってしまうと言います。
もし相続財産が高額になる場合は、相続税が発生するため注意が必要です。
納税期間は故人が死亡してから10カ月以内と決まっています。
しかし長男の嫁の場合はどうでしょうか。
長男の嫁として献身的に義理の父や母の勤めを果たした方もいるでしょう
長男の嫁の義理の父・母の遺産を相続する権利は今までは認められていませんでしたが、最近は認められるようになりました。
ですが、夫である長男が先に死亡していたとなれば、トラブルはおきやすいもの。
介護していた場合、心理的だけでなく金銭的にも負担がかかっていたと思われます。
介護費用など、記録や領収書があれば、相続の請求ができる場合がありますので、いつでも提示できるように準備をしておくのが望ましいです。
遺族間の遺産相続
葬儀の後で親族が集まっている間に話し合いをするのがいいでしょう。
次のことは親族みんなで確認することが大切です。
- 遺言書の存在
- 生命保険の受取人
- 孫への遺産配分
まず、故人の机の引き出しや金庫などを探して「遺言書」があるか確認してください。
故人の遺言があれば、長男の嫁に資産を残すことは可能です。
しかし長男に兄弟がいる場合や子供がいる場合は相続権がありますので話し合いをしなければいけません。
相続に関して不安がある場合は、税理士や弁護士に相談されることをおすすめします。
トラブルを防ぐために生前から「公正証書遺言」を利用することも視野に入れておきましょう。
遺品整理の時期
賃貸でない限り遺品整理をする時期は決まっていません。
地域や宗派によっては納骨が一周忌の場合もあります。
このため一周忌や三回忌を過ぎてからでもかまいません。
遺品整理とは必要な物と不要な物に分類していくことですが、同居の場合は故人との住まいが一緒のため、粗探しされるのに抵抗がある人もいます。
「今すぐするのか、一緒に片付けをするのか」を兄弟や子供と話し合うことも必要です。
急いで原状回復する必要がないので、自分一人で行い1年かかった人もいるようです。
人によっては義理の親が使っていた物は使いたくないといったお嫁さんもいると思います。
同居をしていた故人の遺品整理手順
一部屋ずつ整理する
できるだけ一人で遺品整理をしたい方は、各部屋を同時に行わないのがポイントです。
まずは広いスペースを確保して、一部屋ずつ片付けていくように心がけてください。
効率よく作用をすすめていくためには、遺品を細かく分類することが重要です。
無規則に色々な所に物があるため、徹底的に整理を必要があります。
ひとつひとつチェックしていき遺品を段ボールや袋の中に入れていきます。
「開かずの扉」を作らないように、タンスの中に入っている物はすべて出すクセをつけましょう。
また、家の片付けは1回で終わらせないことも重要です。
家の外の倉庫や車庫も忘れずに
財産や資料は慎重に取り扱い部屋だけではなく、押し入れや倉庫や車庫も整理をしていきます。
必要な物は保存をして、不要な物は「リサイクル品、燃えるゴミ・燃えないゴミ・粗大ごみ」と分別をしていきます。
リサイクルショップや不用品回収業者を利用
捨てるのが勿体ないけど必要ない「桐のタンスや着物・帯・扇子」といった遺品はリサイクルショップで買取を利用すれば手間がかかりません。
衣類や日用品(布団)を処分する場合は、自治体の可燃ごみ・不燃ごみ・粗大ゴミを活用します。
コンポ・骨董品・家具・家電・農具・工具といった処理は、リサイクルショップや廃棄業者に引きとってもらいます。
リサイクルに関して自社展開をしている、再利用に力を入れている業者を選ぶと買取価格は高くなる傾向があります。
保管しておくべき遺品
相続財産ではありませんが、税金関係の書類や仕事関係の書類も保存します。
取り扱いに注意が必要なものもあります。
- 預金通帳
- 株券
- パスポート
- クレジットカード
- 携帯電話
- パソコン
- 生命保険証券
- お金
- 年金手帳
処分する際は、住所などの個人情報が記載されている封筒やハガキはシュレッダーにかけるようにして、個人情報が流失しないようにします。
貴重品や書類関係は保管しておきましょう。
特殊な処分品はリサイクル業者へ依頼
- 金庫
- 家電
- ピアノ
- 古い桐ダンス
- ミシン
- 自転車
廃棄するよりも自宅まで買取を依頼できるためコストを抑えることが可能です。
形見分けができるモノは?
高価な物は、遺族で形見分けをするケースがほとんどです。
以下のモノがその対象になる場合が多いです。
- 着物
- 帯
- 宝石類
- 高級時計
- アクセサリー
専門家に依頼をする
父は亡くなったが母はまだ介護中であるご家庭もあります。
このような場合は、介護もあるため自分たちで遺品整理をすべて行うのに限界があります。
体力的にも精神的にも負担がかかりますので、遺品整理業者に依頼する方法もあります。
費用がかかるといったデメリットもありますが、通常の遺品整理のほかに権利証や貴重品の捜索も引き受ける業者もあります。
他にもエアコンの取り外し、自転車・バイクの処分も1社でサポートできる業者がおすすめです。
パソコンや車、農機具、家電に至るまで、現金で買い取ってくれるリサイクル引き取り業者も上手に利用するといいでしょう。
スケジュールや体力的に厳しいと感じた場合は、無理をせずに業者を検討しましょう。