どんなことでも同じですが、物事を始める前は準備が大切です。
実家の片付けをする際も、闇雲に始めるのではなく、事前準備を怠ることなく始めるようにしましょう。
実家の片付けをする前の準備
モノをしまう場所を決める
まずは、モノをしまう場所を決めるのがポイントです。
定位置が決まれば、そこにしまうことが習慣化され、自然と片付けができるようになります。
逆に定位置が決まっていないと、一旦キレイになっても時間の経過とともに再度散らかってしまい非効率的です。
実家片付けの実例を参考にする
片付けを始める前は、既に片付けを経験している人の実例を見てみるのもおすすめです。
例えば以下のような方法があります。
- 片付けがテーマのテレビ番組を見る
- ブログの「実家片付け」人気記事を見る
- 片付け、整理に関する雑誌を読む
- 実家の片付け、整理関連の講座に参加する
特におすすめなのが、ブログで片付けの記事を読むこと。
忙しくてなかなか時間が取れない方も、ちょっとした空き時間にスマートフォンやタブレットを使って情報をリサーチできるので便利です。
片付けリバウンドゼロを実現するための心得
せっかくキレイにしても、リバウンドしてしまえば再び大変な思いをして片付けをしなければなりません。
できるだけキレイな状態をキープするための、以下に示す「リバウンドゼロを実現するための心得」を理解しておきましょう。
- 高齢者にとって、複雑なゴミの分別が負担に感じることを忘れない
- 高齢者はモノが少ないと不安を感じる傾向にあることを理解する
- 片付けは暮らしやすくするための手助けである
実家の片付け、どこから始める?
いざ片付けをしようと思っても、どこから手を付ければ良いのかわかりませんよね。
ここでは、片付けが必要な場所別に、問題点とその改善方法をご紹介します。
まずは自分のものから断捨離
実家の片付けを始める時は、親のモノではなくまずは自分のモノから断舎離するのが有効的です。
親に「片付ける」というイメージを持ってもらうためにも、積極的に自分のモノから断捨離していくことをおすすめします。
実家の「冷蔵庫」
冷蔵庫は食生活に関係するため、片付いていないと体調への影響にもつながります。
問題点
- 賞味期限切れかどうかを把握できていない
- 単純に詰め込み過ぎている
- 大量の調味料を入れている
- 冷蔵庫を複数使用している
冷蔵庫内の仕分け
冷蔵庫の仕分けで重要なポイントは、扉を開けた時に中身がわかりやすく、かつ出し入れしやすい収納用ケースを使用することです。
例えば通常の冷蔵室の場合、浅型のケースを使えば、目で見て何があるかすぐ確認できるのでおすすめです。
「冷蔵庫」改善方法
冷蔵庫は入っているモノが多すぎると、冷気の流れが悪くなり、まんべんなく冷やすことができなくなります。
そのため、全部の棚にモノを入れないように気をつけましょう。
特に高い位置の棚は見えにくいので、使わないと決めてしまうのも有効です。
冷蔵庫は毎日使うものなので、次の帰省までに元の状態に戻ってしまうこともあるでしょう。
帰省の度にこまめにチェックする必要があります。
実家の「キッチン」
そもそもキッチンは食器や調理道具を置いておくための場所ではなく、あくまでも料理をするためのスペースだということを心得ておきます。
問題点
- 使った食器や、調理道具を出しっぱなしにしている
- 同じサイズの鍋がいくつもある
- 賞味期限切れなのか把握していない食品を置いている
鍋・調理器の仕分け
鍋やフライパンなどの調理器は使用頻度が高いため、戸棚ではなく、コンロ下やシンク下に収納するのがベンロでおすすめです。
収納時のポイントは、立てて収納すること。
書類整理用のファイルボックスやケースを使って取り出しやすくしましょう。
食品の仕分け
食品を収納する場所は、キッチンの中でも特に散らかりがちです。
出し入れの頻度が高いため、調理器同様に取手付きのケース等を使い、何があるかが把握しやすくすることが大切です。
「キッチン」改善方法
キッチンは基本的に収納場所が多いため、ついつい不要なモノまで保存してしまいます。
しまう場所を決めて収納するようにしましょう。
しかし高い所に収納することは、安全面からもおすすめしません。
また、キッチンのゴミ箱を変えるのも有効的です。
ゴミ箱は、次の回収日まで溢れることがないように、生活にあったサイズを置くことが重要です。
洗面所・浴室
洗面所および浴室が汚れていると、カビや雑菌が繁殖し体調に影響を与えます。
高齢による体力低下が原因で、こまめに清掃ができない場合は注意が必要です。
問題点
必要以上に洗剤やシャンプー類の買い置きをしてしまう
「洗面所・浴室」改善方法
買い置きが多い場合は、まず必要なモノと不要なモノに分別します。
そして、必要なモノだけの定位置を決めて、掃除がしやすい空間をつくることがポイントです。
一旦水回りが汚れてしまうと、キレイにするのは非常に大変なので気をつけましょう。
タンス
タンスはそれだけで大きく、収納スペースも多いため、どうしてもモノを多く入れがちです。
しかし大型家具ゆえに、タンスを片付けることができれば、飛躍的に作業が進みます。
問題点
- タンスの数が多い
- 着なくなった洋服が大量にある
改善方法
まずは着ていない衣類を処分し、思い入れのあるモノ、必要なモノだけにします。
その後、思い切ってタンスの数を減らしてしまいましょう。
洋服のたたみ方や収納方法を工夫すれば、タンスが減ってもよっぽど困ることはありません。
押し入れ・納戸
押し入れと納戸は普段見えない分、特にモノを溜め込みがちです。
片付け始めると、「どうしてこれを取っておいたんだろう」とびっくりすることも少なくありません。
問題点
- スペースいっぱいに詰め込み過ぎ
- 使わない機器があり場所を占有してしまっている
「押し入れ・納戸」改善方法
他の収納場所同様に、必要最低限のモノだけを残しましょう。
1年以上使っていない電化製品は捨てるといったルールを決めて判断しましょう。
寝室
寝室は以下のような危険性があります。
- 地震の際にモノが落下したり、家具そのものが倒れてきたりする
- 床にモノを置いていると、つまずいて転ぶ危険がある
そのため、災害時に安全に避難できるように注意することが必要です。
緊急時だけではなく、高齢者にとっては夜中にトイレに行くことを想定して動線の確保をすると良いでしょう。
リビング
リビングにありがちなのが、以前同居していた家族のモノがごちゃごちゃあることです。
今は使っていないものがあっても、親からするとリビングの風景として違和感がないため、必要でないことに気が付かないのです。
自分のモノから積極的に片付け、親にとって使いやすい空間にしてあげてください。
気分が変わると片付けたくなる
「片付けが必要だとわかっていても、なかなか気分が乗らない」
そんなこと思うことありませんか?そんな時には思い切って部屋の印象を変えるのも選択肢の1つです。
部屋のリフォーム
高齢の親にとって、部屋を使いやすくリフォームするのも有効です。
畳敷きの和室に布団を敷いて寝ていたのなら、フローリングとベッドに変えれば、その部屋の雰囲気に合う家具を置きたくなりますよね。
結果的に、新しくなった部屋をキレイな状態を保ちたいと思うようになります。
壁紙を変える
壁紙を明るいものに変えると、気分も明るくなり、片付けの意識も高まります。
照明を変える
照明を変えるのも有効です。
傘付きの蛍光灯照明からLEDのダウンライトに変えれば、ホコリもつきにくく、蛍光灯を交換する手間からも解放されます。
また、最近の照明は調光機能もついているので、気分に合わせて光の色合いを変えられるのもメリットです。
片付け完了後も油断禁物
実家の片付けは、完了後も油断禁物です。
キレイになった後、いかにその状態をキープできるかが重要だからです。
問題点
実家の片付け後も、親の今までの生活習慣は続きます。
そのため、片付けリバウンドしてしまうことがよくあります。
主な理由は以下のようなものがあります。
- 安売りの時にまとめ買いしてしまう
- 頂きものが多い
- 高齢者はちょっとしたことが億劫になる
「実家片付け」リバウンドしないために
実家の片付けでリバウンドしないためには、基本的には帰省するたびに親の手助けをしながら一緒に続けていくことが重要です。
なかなか帰省できない場合は以下のような方法がおすすめです。
- 片付けが終わった後のきれいな状態の部屋、冷蔵庫の写真を撮って見せる
- 定期的に現状の写真を自分で撮ってもらい送ってもらう
「子どもが自分のことを気にかけてくれている」と思ってもらうことが刺激になり片付けなきゃという意欲に繋がります。
費用はかかるが利用価値あり!片付けプロ(業者)を利用
ここまでは、親と子どもが一緒になって片付けることについて紹介してきました。
しかし、親も自分も高齢であったり、実家が遠方すぎて現実的に難しかったりする場合もあります。
そんな時は、思い切って片付けのプロに依頼することを考えておいても良いでしょう。
片付けのプロにもいろいろある
片付けのプロにも様々な種類があるので、状況に合わせて自分の家に合ったプロに依頼しましょう。
不用品回収業者
不用品回収業者とはその名のとおり、要らなくなったモノを回収してくれる業者です。
業者を選ぶ際は、必ず「一般廃棄物運搬収集許可」を持っている業者かどうかを確認してください。
許可を持っていない業者に依頼することのないように気をつけましょう。
自分の家から出た不用品が不法投棄されたり、法外な金額を請求されたりと、トラブルに発展しかねません。
空間アドバイザー
片付けの方法や、その後の住まいづくりのアドバイスをしてくれるのが空間アドバイザーです。
抱えている問題や不満を聴き、相談者に合った解決策を提示してくれるので合理的です。
どこまでお願いする?
掃除
ある程度、必要なモノと不要なモノの分別が終わっていれば、部屋の清掃のみを業者に頼んでも良いでしょう。
業者によっては、消毒やニオイの除去等を行ってくれることもあります。
不用品回収
一般的に不用品の処分方法は、自治体指定のゴミの日に出す、もしくはクリーンセンターなどの施設に自身で搬入する必要があります。
回収業者に頼めば家から搬出し処理場まで運んでくれるので、体力的に不安な場合は大変役に立ちます。
費用
費用は部屋の広さやゴミの量により様々ですが、自身でできる範囲で片付けをしておくことで費用を抑えることができます。
また、貴金属や家具などは買取業者に買い取ってもらえる可能性もあります。
丸ごと依頼した時の相場
掃除から回収までひととおりを業者に依頼した時の相場は以下のとおりです。
1LDK | 7~20万円 |
2LDK | 12~30万円 |
3LDK | 17~50万円 |
4LDK | 22~60万円 |
ただし、部屋の状況や必要な機材の数等で金額に幅があるため、必ず2~3社見積もりを取るようにしてください。
プロにお願いするメリット
プロにお願いすれば、確実に短時間で片付けが終わるのが最大のメリットです。
プロにお願いするデメリット
デメリットは、費用がかかること。
もう1つは家族以外の他人が実家に出入りすることです。
親の同意を得られればこの点はクリアできます。